
大阪の市街地で虫捕りをするのは難しいです。まず、山や広い草原などはありません。チョウなどを追いかけて走っていくと、すぐに民家の壁や道路に行き当たってしまいます。ここではそんな自然の少なくなってしまった地域で効果を発揮する虫捕りのやりかたを指南します。ただし、当時小学生だった管理人が考えた作戦ばかりなので、今から考えると何をやっているんだと思えるものもありますが、その当時結構効果のあったものばかりなので役に立つこともあるかもしれません。
序章・恥ずかしがってはいけない
あなたがもっている虫捕りのイメージはどんなものでしょう。ださい、かっこわるい、何かマニアっぽい、それとも残酷だと思う人もいるかもしれません。今挙げたイメージは、実は管理人が持っていたイメージです。虫捕りをしている最中も、ずっと他人からはそういう目で見られているんだと思ってやっていました。でも今になって考えてみると、虫捕り網を持って走り回っている小学生について、みんながどう思っているかを年齢別に考えてみると、
1.60歳以上・・・おそらく、少し遠くを見ながら「まだ虫捕りをしている子供もいるのか、私が子供だった頃も・・・」などと好意的に見てくれる人が多いと思われます。
2.30歳以上・・・この年代は自分の子供が小学生前後の人が多く、外に出て遊ばない子供にうんざりしていることでしょう。自分が虫捕りをしていた人も多く、悪いイメージはないはずです。
3.それ以下・・・・この年代は少し注意が必要です。特に同年代の人。夏休みの自由研究に虫を捕まえてきて、標本にして持ってきたのですが、クラスの女子に残酷だと責められて散々な目にあった人(管理人含む)は結構いますし、虫捕りをやったことの無い人が多いので、かっこわるいと思う人もいるでしょう。
以上をまとめると、昔、虫捕りをやったことがある人は大抵好意的に見てくれます。また、やったことの無い人も強引に誘って一緒に行くと、結構楽しんでくれたりしました。そして、マニアっぽいという意見は、おそらく昆虫の標本を買いあさって集めている人たちについてのイメージだと思います。別に悪いとは思いませんが・・・
こうして考えると、虫捕りをしている子供について悪いイメージはあまりなく、年をとった後でも、自分の子供の虫捕りに付き合って自分は写真をとっているなどすれば、世間の目もあたたかいものです。あなたがやっている虫捕りは決して恥ずかしいものではありません。何も気にせず突き進みましょう。
1章・甲虫
発見時捕獲率85%(ゴミムシ、ハンミョウの類をのぞく)
市街地で甲虫を見つける場所、それは草原でも林でもなく、民家の壁です。虫捕りに出かけたら、歩きながら常に民家の壁を見て回りましょう。時にはヤモリを見かける場合もあるし、ナメクジを見つけてしまうこともあるでしょう。しかし、時にはカミキリムシやクワガタムシなど、うれしい昆虫も見かけることがあります。
また、いくら自然が少ないといっても、近所に植物の植えてある公園ぐらいはあるはずです。花をつけている草、背の低い木があったらよく見てみましょう。小型のコガネムシの類がたくさんいるはずです。
アオドウガネやハナムグリなどにかぎり、コンクリートの地面や、どぶの中をよくさがすとなぜか見つかります。どぶの角などには必ずといっていいほど小型のコガネムシが頭を下げてじっとしていますのでさがして見ましょう。
夜になったら電灯や明かりのついた家の壁を見てみましょう。コメツキムシやカナブンなどがたかっていることがあります。
ゴミムシ、ハンミョウの類はコンクリートの地面では見つけることが出来ません。公園など地面が土の場所に行きましょう。まず地面に落ちている木片や、大きな石を探します。次にその木片や石のまわりを虫捕り網の柄などで丸く囲みます。そしてそっと石をどかします。ゴミムシの類は光が当たるとものすごいスピードで地面を這って逃げていきますが、石のまわりの地面を軽く掘っておくと、そこにもぐりこんで安心し、逃げるのをやめます。ハサミムシやヤスデ、ムカデしかいなかった場合は、また石をそっと元に戻しましょう。
2章・トンボ
発見時捕獲率5%(ヤンマ科は1%)
1.ヤンマ科以外のトンボ・・・市街地でのトンボと山野でのトンボの違いは、群れを成しているかどうかだと思います。トンボは本来10匹前後の群れを成して飛んでいるものですが、市街地ではそれだけの数の仲間を見つけるのが難しいのか、1匹、多くても3匹以内で飛んでいることが大半です。よって、トンボを見かけたら1匹に狙いを定めて近づかないといけません。
トンボは縄張り意識が強く、自分の縄張りを巡回飛行しています。まずはそっと縄張りの中心近くに近づきましょう。その次にすることは、待つことです。先に述べたように、トンボは巡回飛行をしているので、どこかに行っても必ず戻ってきます。あまり動かず、網を高く構えてトンボが網の届く高度まで下りてくるのを待ちます。あとは近づいてきたトンボを網に入れるだけなのですが、トンボは驚異的といってもいいほど方向転換が素早いです。”スカッ”という手ごたえが大半でしょう。
一度網を振ってしまった場合、大体7割程は縄張りを捨てて逃げていってしまいます。その場合は全力で走って追いかけましょう。民家や道路に阻まれて多分追いつけませんが・・・幸運にも戻ってきた場合は、また動かず、前の手順を繰り返します。
2.ヤンマ科のトンボ・・・ヤンマ達は”どうして?”と思うほど飛行速度が速いです。また、どうやら縄張りを巡回飛行はしていないのではないかと思われます。それとも、とても縄張りが広いだけなのかもしれませんが。
とにかく、ヤンマにおしりを向けられたら、もう捕まえることは不可能です。追いつけるわけ無いですから。勝負はこちらに向かってくるときだけということになります。まずは遠くのほうで、空を我が物顔で飛びまくっているヤンマを発見しなければなりません。
その大きさに圧倒されてはいけません、やはり動かずに網を高く構えて待ちます。ものすごく幸運にも、ヤンマがこちらに向かってきた場合、とにかく獲物をよく見て、素早く網を振ります。飛行高度が高すぎて届かなかったり、速すぎて振り遅れたりすることがほとんどだと思います。
もし手ごたえがあれば、その日は一日中、満足感と達成感でいっぱいになっていることでしょう。管理人は、ヤンマがこちらに向かってこなかった場合を含み、大体20戦、1勝19敗といったところだったと思います。
3章・セミ
発見時捕獲率30%
セミだけは樹木がないと姿を見ることは出来ません。まれに民家の壁や電柱に止まっているものも見かけますが・・・
しかし、セミは木に止まった状態で鳴き声を出してくれます。これは虫捕りをする側にすれば、捕まえやすい状態で、しかも自分の場所を教えてくれるということです。
ただし市街地でセミを捕まえようとする場合、鳴き声を出すオスはあまり捕まえたくありません。何故なら、オスを捕まえるとものすごい叫び声をあげ続けます。これはさすがにまわりの人の目が気になりますし、その日の虫捕りに支障が出てしまいます。よって、出来れば鳴かないメスを捕まえたい。そこで必要なのが、街路樹などを一本一本じ〜っと見て回るという、地味な作業です。これは確かに地味ですが、つまらない作業ではありません。時にはセミ以外のおもしろい虫を見つけることもあるでしょうし、慣れてくると木のどこらへんにセミが止まっていそうか、大体分かってくるからです。
さて、木に止まっているセミを見つけたとしましょう。ここからは、はたから見れば何をやってんだと思われるかもしれませんが、まず網を下げて忍者よりもこっそり、限りなくゆっくり木に近づきます。もちろん息もひそめて。次に網をこれまたゆっくり、そろそろと上げていきます。そして、網を木の幹に”カパッ”とかぶせます。もちろん木の幹は円柱で、網の輪は平面ですからかなり隙間が出来ますが、気にしなくてもいいです。それよりも注意するのは、かぶせるときに急がないこと。あくまでゆっくりかぶせます。また、網をセミの体の下からかぶせないことです。管理人は最初下からかぶせた方がセミに見つかりにくいと思ってやっていたのですが、何故か逃げられることが多かったので、どちらかといえばセミの少し上からかぶせるようにしました。
かぶせたあと、まだ飛び立っていなければ高い確率で捕まえることが出来ます。かぶせた網を、木の幹をこすり取るようにして下に引っ張ります。セミは網の輪の上部に引っかかって網の中に落ちます。メスであればそのまま静かに観察できますが、オスの場合はうるさすぎます。すぐに逃がしてあげるなりしましょう。
4章・バッタ
発見時捕獲率60%(トノサマバッタ、クルマバッタは20%)
1.短距離飛行タイプ・・・ここで言う短距離飛行タイプとは、ショウリョウバッタやオンブバッタ、キリギリスなどです。
市街地には中々草原が無いのですが、たまに放置されている空き地がありますので、そこに通いましょう。歩いて回れる範囲の近所に2〜3箇所あれば理想的です。ここでは市街地限定の有効な虫捕りの方法があります。短距離飛行タイプを捕まえられない原因の多くは、背の高い草と、緑色の昆虫の体で見失ってしまうことです。よって、ここではバッタ達を空き地からコンクリートの地面に追い出すことで見失いにくくする方法を挙げてみます。
まず、空き地の中央付近から、網で草をなぎ払いまくるなどして、音を立てながら進みます。ここでキリギリスなど、大物がかかった場合は夢中で追いかけましょう。ヒシバッタや小さいイナゴなどが時々見える程度でしたら、かまわず空き地の端まで突き進みます。コンクリートの地面に行き当たったら、周りをよく見てみましょう。オンブバッタや小さいショウリョウバッタなどが丸見えの状態でいることもあります。
しかし、この方法よりも、やはり草むらでバッタと追いかけっこをする方が楽しいです。特にショウリョウバッタのオスは適度に飛行距離があって本当に追いかけっこをしているような気になります。草むらでバッタを見つけたら、網を横に構えて、草ごとなぎ払うように素早く振りましょう。だるま落としのような要領でやります。網を上からかぶせるようにすると、何故か逃げられることが多いようです。
2.長距離飛行タイプ・・・トノサマバッタ、クルマバッタなど。
このタイプは短距離タイプとは大分攻め方が違います。トノサマバッタなどは50メートルは軽く飛んでしまうので、そう何度もチャンスがあるわけではありません。
まず幸運にも飛び立つ前に発見できた場合は、網を横に構えて、どうしようもないくらいにこっそり、毎分2メートル程の速さで近づきます。短距離型では横になぎ払うように振るのだと言いましたが、トノサマバッタの場合は横から網をかぶせるようにします。何故なら、トノサマバッタは斜め上方に素早く飛び立つので、上からかぶせたほうが捕まえられる確率が高いからです。横になぎ払うと、こちらがどんなに素早く動いても、バッタに気づかれてしまえば逃げられます。
草むらを歩いていて、目の前でトノサマバッタが飛び立った場合は全力で追いかけましょう。追いつけなかったとしても、着地地点をしっかり覚えておきましょう。その後は上のやり方でこっそり近づいてください。しっかり着地地点を覚えていてそこに行ったのに、何故かバッタがいないことが多々あると思います。管理人がトノサマバッタを逃がしてしまうのは大抵それか、民家に飛び込んでしまった場合でした。
5章・チョウ
発見時捕獲率15%
チョウを捕まえようとする場合、市街地は大変不利です。チョウは縄張りを巡回飛行はしていないようですし、飛行高度も自在です。追いかけていくと必ず民家や道路に行き当たってしまうでしょう。これに対して管理人は有効な手段を考えることは出来ませんでした。小さい頃は民家の壁をよじのぼって捕まえていたものですが・・・全力で追いかけると何とか追いつけないことも無いだけに、悔しい思いをしたものです。その他の対策を書くと、
シジミチョウの類はクローバーのたくさん生えているところに行けば、必ずといっていいほどいます。低空飛行をしているので簡単に捕まえることが出来るでしょう。
アオズジアゲハ、クロアゲハなどは地面の水溜りで吸水していることが多いようです。
中型以下のチョウは飛行速度はそんなに無いのですが、ひらひらと捕らえどころが無いというか、網を振ってもひらりとよける様な感じで逃げていきます。そんな時はチョウを追いかけながら、何度も網を振りましょう。あまりかっこよくは無いですが、チョウを捕まえる時は大体この方法です。
中型以上(アゲハなど)は、結構飛行速度が速いです。一発勝負だと思ったほうがよいと思います。
6章・読者様からの虫捕り指南
★桜島さんより、甲虫の捕まえ方
まず、手でゆらしたり足で蹴れそうな木を見つけます。
そして、その木をとにかくゆらします。そうすると小型のコガネムシなどが落ちてきます。このとき気をつけることは、根元が土の木を選ぶことです。コンクリートなどの上に落ちて打ち所が悪かったりすると、頭がとれる事などがあります。そして、揺らす前に毛虫がいないかしらべます。毛虫が落ちてきて、服などについたら気持ち悪いでしょう。でも、運がよければコフキコガネなどの大型のコガネムシを見つける事もあります。これで僕の虫の捕り方は終わりです。(針葉樹にはコガネムシはいません。とくに、松にはマツカレハと言う毒毛虫がいます。注意してください。)
ここまで読んでくださってどうも有難うございました。これを読んで虫捕りをやってみたくなった、参考になった
などと思われた方が一人でもいらっしゃればこんなにうれしいことはありません。
また”こんな方法もある” ”自分はこうした方がよいと思う”などあれば是非教えてください。「読者様からの虫捕り指南」に掲載させていただきます。