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○太郎:季刊 昆虫裏日記、これからもよろしくお願いします。
  先生:・・・。
     ところで、君はどうも最近 びっくり生物 ばかりを取り上げているね。
○太郎:これからの時代はインパクトが必要なんです。
  先生:何が「これからの時代」か。身近な生き物の中にこそ、多くのびっくりがあるというのに。
      して、今回は・・・

彼らは如何にして30本の肢を使いこなすのか


先生:またびっくり生物か。





今回取り上げる虫は家の中でもよく見かけますし、
寄生虫でもありませんからご安心ください。


まあ、 ちょっと 肢の数は多いですけど。


私は生き物を観察するのが好きなので、よく山や野原に出かけます。
昼間ですとチョウやトンボ、バッタなどおなじみの昆虫たちを観察する事ができます。
しかしどうもそれだけでは物足りません。
夜中に観察に出かければ、新しい発見があるかもしれません。


そこで最近は真夜中に山に出かける事が多くなったのですが、
山中で懐中電灯が壊れてどうしようもなくなったり、
帰り道が分からなくなったので夜が明けるのを待ったりと、あまりいいことがありません。


そこで最近は山に行かずに、山の近くにある私の学校に行く事が多くなりました。
幸いな事に校内には小さな池があり、木も生えているので生き物の観察には事欠きません。




その日も懐中電灯で木を照らして見て回っていました。


すると・・・


比較的ソフトな画像


ほほう、これは・・・

この特徴ある美しい造形、そしてつややかな黒い胴体。
これは唇脚綱・ゲジ目・ゲジ科、 オオゲジ です。


上の画像ではわかりにくいという方は、下のリンクを押してみてください。




※注意
上のソフトな画像とは違って大迫力でお届けしますので、画像をご覧になる際には少し覚悟してください。苦手な方は無理をなさらないようにしてください。


それではがんばってください



さて、上の恐怖写真をご覧になった方は、
「うわー、これは だめだ。」
と思われたことでしょう。


しかしこの虫については、知れば知るほど興味がわいてくるのです。
ちなみに私はこの虫がちょっと好きです(うわー、これはだめだ。)


まず疑問に思うのが、なぜ彼らはそんなに肢が多いのかという点です。
彼らは実に30本もの肢を持っているのですが、同じ節足動物である昆虫は肢が6本しかありません。


私が推測するに、オオゲジが30本もの肢を持っているのは
「そんなにたくさん肢はいらないという事に気付かなかった」
からではないかと思います。


節足動物の進化の過程を考えてみると、昆虫はオオゲジのような肢がたくさんあるものから進化したとされています。
現在昆虫が繁栄している理由の一つに、大空に羽ばたける翅をもっていることが挙げられますが、翅を持つには肢がたくさんあってはじゃまだったというわけです。


大昔、多くの節足動物たちが
「ぼくたち・・・ちょっと肢が多いんじゃないだろうか」

などと自問しているあいだ、オオゲジの祖先たちは
「いやかまわん。むしろ30本肢最高」


などと思っていたに違いありません。
そうこうしているうちにオオゲジの仲間は進化の袋小路にはまってしまい、多くの昆虫たちから
「進化の袋小路っていうか・・・全然進化してない」
などと思われるようになってしまったわけです。


しかしオオゲジ達とて、無駄に時間を過ごしてきたわけではありません。
彼らは30本肢に磨きをかけ、素晴らしい移動速度を手に入れました。


オオゲジの写真を見ていると肢が絡まないのか心配になりますが、
彼らは肢を波打つように動かして素早く進んでいます。
歩いているというよりは「うねらせている」といった感じです。
こうして、日夜オオゲジは尋常でないスピードで徘徊し、獲物を見つけると発達した顎肢で噛み付いて生活しているわけです。


外敵から身を守る事も忘れてはいません。オオゲジの肢はすべて とりはずし可能 です。
危険を感じたら肢を とりはずして 逃げるわけです。
さらに、とりはずした肢は脱皮すると復活します。


これはいいオオゲジ


     ↓



とりはずし完了



いやー、実に素晴らしい。
このようにオオゲジは隠れた魅力でいっぱいです。
私は昔あまりオオゲジが好きではなかったのですが、今ではちょっとしたファンだということができます。


オオゲジファン。皆さんもご一緒にいかがですか?











・・・そうですか。


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