
| 先生:何と言うことだ!最近は日記でないばかりか昆虫の話題ですらないではないか!! ○太郎:申し訳ございません。 それでは「生き物裏日記」とすればよろしいでしょうか? 先生:いやそれでは生ぬるい!全然日記じゃない!! こうなったら「生き物裏事情」に変更したまえ。 ○太郎:え、裏事情?それはちょっと・・・(「裏」しか残ってナイ・・・) 先生:して、今回こそ昆虫の話題なんだろうね? ○太郎:は、はい。それはもちろん・・・ |
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大複殖門条虫パーティー ○太郎:すみませんがそろそろ本編に入りますから。 世の中には見ないほうがよいものがたくさんありますが、私はその一つを目撃してしまったようです。 今回の裏日記は みんなのアイドル、ラッコについて取り上げますが、読んでしまうと多分 見事にラッコが嫌いになります。ラッコを愛してやまない方は読まないほうがしあわせかもしれません。 半年ほど前、私は里帰りのついでに水族館に行きました。 4メートル近くあるピラルクや、マグロの群れなど 種類も豊富で、久しぶりに行った水族館はとても楽しいものでした。 楽しい時間は早く過ぎ去り、すぐに最後の水槽まで来てしまいました。 最後に控えているのは巨大な ラッコ水槽 です。 その水族館ではラッコが目玉らしく、近くの売店では様々なラッコグッズが売られており、等身大のラッコ人形や、ラッコのキーホルダーなどが人気のようです。 さて、そのラッコですが、水族館の顔らしく 非常にかわいらしく振舞っていらっしゃいました。 お腹の上に乗せた石で貝をガシガシ割っていたりして、周りの子供たちは水槽にくぎ付けです。 中には自分よりも大きいんじゃないかと思うぐらいのラッコ人形を抱えた子供などもいて、何とも微笑ましい光景が広がっていました。 しかし、いくらかわいらしいとは言え、やはり動物。 食事をするからには排泄もしなければなりません。 水槽の中には4〜5匹のラッコがいたのですが、そのうちの一匹が水中でフンをしました。 私は子供たちの反応を見ていたのですが、 「あっ、見て見て、フンをしているよ」 などと至って普通の反応で安心しました。 が、その直後 ![]() フンをしたラッコの肛門から、みずみずしい黄色をした”きしめん”のようなものが飛び出してきました。 うっ、これは大複殖門条虫!! なんとまあ、長いもので、肛門から飛び出している長さだけでゆうに 4メートル近く ありました。 私は突然の条虫の登場がうれしくて、周りの人たちに 「珍しいものが見られてよかったね」 とでも言おうかと振り向いたところ、 周りの人たち、 立ったまま気絶 していらっしゃいます。 そしらぬ顔で、水槽の中をうれしそうに泳ぎまくる4メートルの条虫。 気付いていないのか、肛門から条虫を出しながら貝を割り続けるラッコ。 何かの冗談のような光景が目の前に広がっていますが、私は取りあえず条虫の体の構造をよく見ようかと思い、水槽に顔を近づけました。 しかし、真の後悔はこれからです。 水槽の中にいた4〜5匹のラッコたちがものすごい形相で突進してきたかと思うと、 先を争って条虫を食べているではありませんか。 うぐっ、た、食べるのか・・・今出てきてるやつを・・・ よく見ると条虫を出している本人も食べている・・・ 気が付いたら 私も気絶しかかっていたようですが、4メートルの条虫は20秒足らずで食べ尽くされ、残りはラッコの肛門の中に引っ込んでいきました。 その後、ラッコ水槽を見ていた人々の間には永遠とも思える沈黙が流れ、大人たちは ぎこちない表情をしながら立ち去っていきます。 子供たちはというと、脳が活動をはじめるまでに時間が掛かっていたようです。 買ってもらったばかりの巨大なラッコの人形を、何だかいやそうな顔をして持っていた少年が印象的でした。 さて、ここで寄生虫に詳しい方は、何で遠くから見ただけで大複殖門条虫だと分かったのかと疑問に思われる事でしょう。 確かに大複殖門条虫は、広節裂頭条虫や日本海裂頭条虫などと遠くからひと目で見分けられるようなものではありません。 実は私はラッコから出てきた条虫が 太かったから 大複殖門条虫だと思っただけで、あまり自信はありません。 しかし、海獣に感染していたこと、ラッコに与えられるエサはイワシなどの海水魚であり、淡水魚は少ないだろうという点もあって、大複殖門条虫なのではないかと思ったわけです。 ![]() 左:条虫の拡大図。各 片節ごとにオスとメスの構造をもつ (□がオスで ・ がメス) 右:だからこのように折れ曲がって重なるだけで卵が生める ちなみにこの大複殖門条虫、もちろん人間にも感染します。 感染したからといって、特に深刻な状態になることはないのですが、 生でイワシを食べる時は注意しましょう。 というか、生で条虫を食べていたラッコたちはその後どうなるのかとても |